トロント移民ライフ♪ FEEL TORONTO

カナダに移民してからの日常と、レイキのこと、ゴルフのこと、愛犬のことなどを綴っています。そして最近はヒーリーの話題です。どうぞよろしく。

スパインコアについて

最近、問合せを受けることが多くなったので悩んでいる方がたくさん居られることを知り、少しでも私と娘のスパインコアを使った測弯症の治療体験が役に立つかもしれないので、分かる範囲のことを載せておこうと思います。
1.カナダでは医師に認可された治療法なのか?
スパインコアは日本では現在、取り扱っているクリニック等はない様ですが、カナダ(オンタリオ州)でも州に認可された保険の効く治療法ではなく、あくまでも自費で行う治療です。我が家の場合、初めに、娘の背中にコブを見つけ、色々調べたところ、測弯症でないだろうかと思い、ファミリードクター(掛かりつけ医)のところに行きました。レントゲンを撮りましたが、ファミリードクターからは「様子をみましょう。」とだけ言われました。どうみても、肩の高さも違うし、コブも出ているのに。こちらで良くあるケースは初期のうちは治療をせず、様子見を続け、本格的に悪化したら、手術というパターンです。その時点でそれ以上ドクターに詰め寄っても仕方がなく、結局、色々調べたり、知り合いに聞いたりして、スパインコアを知り試すことにしました。その時、娘は14歳で、まだまだ悪化する可能性がありましたので。
2.認可されていないならどんなところで扱っているのか?
娘はカイロプラクターのところに通っています。ケベック州にスパインコアを開発したドクターがいて、そこでのセミナーを受けたドクター(カイロプラクター以外の方がいるのかは不明)が、スパインコアを扱えるようです。患者さんによって、シングルカーブだったり、うちの娘はS字カーブですが、そのカーブも曲がる方向など千差万別ですが、クリニックにあるスパンコアのソフトウエアにドクターがカーブの角度などの情報を入力するとコンピューターがスパインコアの装着方法を表示する仕組みになっているので、例え、経験の浅い医師だったとしても、上手く患者さんに装着の指導ができる優れたシステムだと思います。
3.スパインコアとはどんな装具なのか?
娘が最初に装具を入手したときより更に進化しているようですが、スパインコアはいくつかの部品で構成されています。背中部分のボレロ、下半身(前後)にソフトプラスティックのパネル、それらを繋ぎ、背骨の曲がりを戻していくゴム製の幅広バンド(複数本)、パネルを押さえるベルトなどです。(現在パネルはショートパンツタイプになっているようです)これらを患者さんの症状に合わせて引っ張る方向や場所を変えて装着方法を指示されます。
4.装着は難しくないのか?また使用感は?
装着は初めは手間取りますが、慣れれば娘も一人であっという間に装着します。使用感は当然ラクと言う訳にはいきませんが、普段の生活では支障はありません。学校ではごく身近な友人にだけ話しているそうです。Tシャツだけでは装具が見えてしまいますが、パーカや、前ボタンのシャツなどを着れば装着していることすら周りには分かりません。少しだけ大きめを買えばジーンズも普通にはけます。ただ、ご飯を食べる時はお腹が押さえつけられているので苦しいのと、寝る時は寝付くまで苦しいとは言いますが、我慢できない程ではありません。装着は1日20時間で、朝、夕2時間、計4時間の装着しなくていい時間がありますので、その間にシャワーやご飯を済ませるようにしています。
5.スパインコアを付けて体育は可能?
スパインコアはそもそものコンセプトが普通の装具とは違っていて、背骨を正しい方向に持って行った上で、なるべく運動をして筋肉を付け、自分の筋肉で背骨を出来るだけ真っ直ぐ支えられる様にするのが目的です。ですので、スパインコアを装着したまま運動をすることが出来るというより、運動をするべきと考えられます。また、スパインコアの平均装着期間は18ヶ月だそうですが、娘も丁度18ヶ月装着しました。今後、カーブが大きくなることを恐れて適度に装着を続けた方が良いのではと思うかもしれませんが、いつまでも装着していると身体がスパインコアに頼ってしまい、自分の筋肉を使わなくなるので、筋肉を鍛えるために、ある程度カーブが戻ったらスパインコアは外し、運動をする。ドクターからは背骨が曲がりやすい体質なのだから、筋肉を鍛える為、運動は一生する様に言われています。
6.効果はどうなのか?
効果の方は、人それぞれですが、少なくとも娘は背中のコブもかなり少なくなり、肩の左右差も以前よりはずっと良くなりました。この2年間、悪化しなかったですし、カーブも小さくなりました。
7.自費であるなら費用はどの位かかる?
参考までにカナダの例でお話しします。
装具一式の代金がC$3800でした。オンタリオ州は13%の消費税がかかりますので、C$4294です。日本円にして40万円前後でしょうか。それから検査ですが、これも自費ですが、レントゲンのある日は$168(約15000円)、レントゲンのない日は、その回によって多少違いましたが、大体$100前後(8000円位)です。それから、装着期間が長くなってきますと、ゴム製のバンドの伸縮が悪くなりますので、部品の交換が必要です。これは、娘の場合、全部で3万円位だったと思います。(ドクターの好意で、ボレロ部分の部品は娘に丁度サイズが合う新古品があり、それを譲っていただき、その分の交換費用は掛からずに済みました。)



実際に装着をして生活する子供にとっても、それを見守る親にとっても、スパインコアは普通のハードな装具より何倍もQOLが上がると思いますが、日本での取り扱いがない以上、現時点でスパインコアの治療を受けようと思うと、海外に行かなくてはなりません。日本から一番近くとなると、韓国でスパインコアを扱うところがある様です。それでも、装具を購入するだけという訳にはいかず、定期チェックで数ヶ月ごとにスパインコアの状態を医師がチェックし、検査の2回に1回はレントゲンをとり、それによって装具の調整をします。最初は装着後1ヶ月でチェック、その後はその2ヵ月後、その後は3ヶ月ごとで、18ヶ月を過ぎると6ヶ月ごとが一般的な検査予定です。その辺りのことを考慮に入れられ、韓国のクリニックに連絡を取られてみるのがいいかもしれません。韓国なら医療通訳も見つけやすいのではないかと思います。
一応、参考ウエブサイトのリンクを載せておきます。
http://www.spinecor.org/
http://www.spinecorporation.com/english/index.htm

皆さんがこの画期的な治療法を受けられます様に。
娘の測弯症を見つけ、不安になって色々探した日のブログ。スパインコアの写真付き→http://d.hatena.ne.jp/feeltoronto/20101106