小額訴訟(small claims)について

会社や個人と何か金銭的なトラブル、例えば貸したお金を返してくれない、発注した作業がいい加減だった、支払ったのに物を送ってこない…等が起こった時、相手に「これじゃ困るからこうしてくれ」と要求しても、相手が取り合わない、逃げようとする、誤魔化すなどされてラチが開かない場合、$25,000以下であれば、最終的にはオンタリオ州では小額訴訟(Small Claims Court)に持ち込み、相手を訴えることができる。そんな経験はないに越したことはないが、もし、そういうことがあった場合にせっかくの私の体験が何かの参考になるかもしれないので、このブログに"訴訟"というタグを作ってみた。私も初めは（額がそれほど大きくないこともあったが）訴訟なんて個人で対応しきれるものではないだろう、英語も不完全だし、弁護士を雇うほどのケースではないし、聞く人もいないし…と大海原にぽつんと独りという気がして、おまけに面倒くさいし、手数料で更にお金が掛かるし、何度も平日に休みを取らないといけないし…あきらめた方が身のためだと思っていた。（これらのことは心配には及ばなさそう。小額訴訟は、普通の英語力であれば個人で十分対応可能、Small Claims courtのウエブサイトをじっくり読めばほとんどのことは解決するし、裁判所のカウンターで聞いても教えてもらえる、休みを取るのも数時間を数回で大丈夫、掛かった手数料は訴訟に勝てば相手方に追加で請求できる）という訳で、周りの人たちや、JSS(Japan Social Service)のカウンセラーの人、ネット上で知り合った同じ会社を訴えた人…達に後押しされ、「まあこれも経験だ。」と思い直し、正義感を持って未知のことへの挑戦（大袈裟だア）をすることにした訳である。
今までの経緯は：
１）サービスの対応がいまひとつだったため、解約を申し出た。
２）契約上は50%返金となっているものの、何度もの督促にも係らず返金してこなかった。
３）いついつまでに全額返金しなければ訴えると言う内容の苦情の手紙(complaint letter)を送った。
＊＊苦情の手紙はインターネットで検索すればたくさんのサンプルがヒットする。その後、裁判所に行く場合、この手紙も証拠として提出することになるので、分り易く経緯と苦情内容、相手への要求事項と期日を書いて署名をする。
＊＊当然のことだが、受取りにサインが必要なregistered mailで相手に送る。
４）相手は速攻で50％のみだが返金してきた。
５）残りの50%を取り返すべく、Small Claims Court(小額訴訟)にcase fileした。
契約書上は解約の際は50％のみ返金すると記載されているが、敢えて全額返金を請求するのは、契約前の説明と内容がことなっていたためで、これを"misrepresentation"といい違法なのだ。実際、契約書上にはその部分が書かれていないので、書面としての証拠はないが、逆にこれが、法的には契約書に詳細を添付する義務があるのに、よくよく読んでみると、"詳細は(schedule A)の通り"、とか"(schedule B)に記載"とあるのに、その添付資料をもらっていないので、「契約書には全ての要件を明確に開示すること」という条項に違反しているので、その場合は1年間はキャンセルが可能となるはず、の2点が今のところ焦点になるかと思っている。

訴える側が初めに用意するのは"Plaintiff's claim"という書類と証拠資料。
"Plaintiff's claim"のフォーマットは裁判所のウエブサイトで入手可能。書類の作成には同ウエブサイト上の"Forms assistant"を使うと簡単にできる。必要事項を順番に入力していくと、フォーマットに内容が入った状態のPDFファイルが出来上がる。
---＞https://formsassistant.ontariocourtforms.on.ca/Welcome.aspx?lang=en
６）その書類を持って裁判所に行った話しがきのうのブログになっている。

裁判所のウエブサイトには、訴えることができる事件の条件、各種フォーマット、フォーマットの書き方、段取りごとの準備事項、心得等々の詳細のガイドがある。
http://www.attorneygeneral.jus.gov.on.ca/english/courts/scc/b4aClaim.asp
更にオンタリオ州の消費者の権利はここに載っている。
http://www.sse.gov.on.ca/mcs/en/Pages/Your_Consumer_Rights.aspx
ちなみにクーリングオフの期間は10日間である。