母のこと

手術が無事に済み、今は感染症などに掛からないように傷口が治るのを待っている状態だ。その状態が落ち着き、徐々に体力が付き、日常生活に戻れることになったら、今度はゆくゆくの生活のことを考えなくてはいけない。今まで母は一人暮らしで、母自身、気を遣うのが大嫌いなので、一人が気楽でいいと常々言っていたので、その気持ちは良く分かる。ただこれからどうしていくか。しばらくは弟夫婦のところに居るとしても、ずっとと言う訳にもいかないだろう。みんな余りにも忙しすぎるからだ。家の作りも同居用になっていない。私も自分の親なのだから何とか出来るかと言われても、例えカナダを離れ、日本に戻ったにしても、母をカナダに呼び寄せたにしても、資産がある訳ではないので、毎日会社に行かなければならない。結局、母は昼間ずっと独りになってしまう訳だ。そして私にしても弟にしても自分の子供達に余り大きな犠牲を負わせることも出来ない。そうなるとすぐにではないが、いずれ母はケアハウスなどに行くことになるのだろう。世の中の人達みんなそういう中で、それぞれの家族で何とか納得できる選択をしているのだとあらためて思う。自分自身、年を取っていくことへの準備が全然できていないが、娘までも「人生って何なんだろうね」などと言っている。深い。