トロント移民ライフ♪ FEEL TORONTO

カナダに移民してからの日常と、レイキのこと、ゴルフのこと、愛犬のことなどを綴っています。そして最近はヒーリーの話題です。どうぞよろしく。

能の舞台と恋愛観

今日は娘を連れて、JCCCで催された"Noh(能)"の鑑賞に行ってきた。能に触れるのは今回が全くの初めて(サスペンス劇場では見たことがあったが)。日本を離れていなければ、見に行ってみようという気にならなかったかもしれないので、今日はとてもいい機会に恵まれたと思う。公演は観世流能楽師重要無形文化財保持者である河村晴久氏を筆頭に4人で行われた。今日の公演はただ、能を見るだけではなく、河村氏の解説があってから、能が演じられるという段取りだったので、例え、文言がわからなくても、ちゃんとお話しについていくことができ、何も知らなかった私達でもちゃんと楽しむことができた。お題目は、2つで、どちらも源氏物語の"野々宮"と"葵上"。おまけに"野々宮"が終ったあと、舞台の上で、装束(能のコスチューム)の着付けパフォーマンスをみせてくれるという大サービスだった。私としては話に展開がある"葵上"の方が良かったかな。それにしても"能"の舞台をみていて、こういう芸能がほぼ同じ形で600年も前から続いていると思うと、悠久の歴史の重みがこみ上げてきて、ふと数百年前の風を感じ、自分が誰で、今どこにいるのか分からなくなった。ただ、こんなにも昔から、女の情念とか嫉妬とか恋愛沙汰がテーマになるとは、なんだかなあ。まあ今よりも昔はもっと娯楽も少なかっただろうし、気持ちを紛らわすこともできずに思いを募らせ、般若になるほど、苦しんだのか。恋愛は素晴らしいことだとか、好きな人がいるのは毎日が活き活きするとか言うが、それはごく一部のいい恋愛でのこと。苦しいだけの思いなら、心の傷やトラウマの原因になり、ボロボロになって果ては人生が狂ってしまう人もいる。"辛い思いにいいことなどひとつもない"、"辛い思いは人生のビッグトラップ"だと私は思う。それでも「この世に生まれてきて、好きな人に出会えただけでもすごく良かった。」とか「辛い恋を乗り越えて、色んなことが学べた。」とか無理にこじつけて自分を慰めたい人は勝手にどうぞ。なんだか能のことから、話しが逸れてしまった。
舞台中は撮影禁止なので、始まる前の舞台だけ。


舞台だけでは面白くないので当日のプログラムをマクロモードで撮影。